妹のピアノの発表会の応援に行った日

2008年の4月、小学5年生の妹のピアノの発表会を見に地元のホールへ向かいました。 共に向かったのは私と、私の母と父の3人です。 朝型大きなホールに入ると、妹は会場の空気に飲まれたのか酷く緊張している様子を見せていました。 母と父はそんな妹に落ち着くように言い聞かせ私も一言「頑張れ」と声を掛けた後で、妹は控え室へと消えて行きました。 その後私たち家族はホールの見学者席へ行き、前から2列目の席に座りました。 それなりに早く会場入りしましたが、前列は全て埋まっていたんです。 席に座り妹の出番が来るのを、今か今かと待っていました。 妹の演奏は36人の演奏者のうち14番目で、時間はお昼時の発表会の丁度中間です。 妹が舞台に上がると、ピアノ教室で指導を担当してくれていた先生が「次は東野奈穂子(仮名)ちゃんが子犬のワルツを演奏します。 奈穂子ちゃんはピアノを始めて2年ですが今日まで一生懸命練習して来たので応援して下さい」と挨拶し、演奏が始まりました。 妹はつっかえながらも真剣に、アップテンポで明るい「子犬のワルツ」を弾きました。 家の小さなピアノでも毎日のように練習していた事を知っていたので、懸命な姿に感動し母 は涙まで流していました。 発表会終了後は初心者だけに贈られる「頑張りました賞」を貰い、私たちは「頑張ったね」と声をかけ緊張の瞬間は幕を閉じたのです。